油脂クレンジングで毛穴角栓対策?注意点と人気のワケ

毛穴角栓には油脂クレンジング?

油の写真

SNSを中心に話題になっている「油脂クレンジング」。

「毛穴ケアに!」「角栓に悩んでいるならコレ」と紹介されているのをよく目にします。

毛穴民といては見逃せないお話ですが、果たして本当に毛穴ケア向きのクレンジングなのか否か。

そもそもどういう仕組みでおすすめされているのか。

若干めんどくさい性格の筆者が、とことん調べてまとめてみました。

では、今回もいってみましょう。

油脂クレンジングとは

マカダミアナッツがスプーンに乗せられた写真

そもそも、油脂クレンジングとはなんなのか。

どうやらクレンジングのなかでも、「植物油脂が主成分のクレンジングオイル」がそう呼ばれているようです。

通称なだけで、ほとんどが「油脂クレンジング」として売り出されているわけではありませんのでご注意ください。分類は、あくまでオイルクレンジング。

主に使われているオイルはこちらですね。

コメヌカ・オリーブ・マカダミアナッツ・アーモンド・アルガン・アボカドなど。

クレンジング以外でも、聞き覚えのある植物油脂が多いでしょうか。

一部の植物油脂は化粧品だけでなく、ヘアケアや食品としても広く使われています。

油脂は、トリグリセリドを主要成分とし、そのほか少量の遊離脂肪酸や不鹸化物を含有しています

植物油脂の解説と化粧品に使用される植物油脂一覧 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)

主な成分は皮脂の主成分でもある「トリグリセリド」であることが多いそう。

皮脂の主成分と聞くと毛穴民としては嫌なイメージですが、クレンジングとしてはどうなんでしょうか?

油脂クレンジングはなぜ毛穴角栓ケアに人気?

使用後の毛穴パックの写真

なぜ「油脂クレンジング」は毛穴ケア向きといわれているのか。

解明の前に、まずはクレンジングの分類から確認していきましょう。

オイル(油)・バーム(固形油)・クリーム(油>水)・ミルク(油<水)・ジェル(水)

ざっくり分けていますが、よく目にするクレンジングは主にこの5種類ではないでしょうか。

オイルに近づくほど油分が多く、ジェルに近いほど水分が多いことがポピュラーなようです。

なかでも、オイルタイプはとくに洗浄力が高いといわれています。

オイルクレンジングの洗浄力の高さは、数あるクレンジング料の種類の中で、トップクラスです。その理由は2つ。ひとつめは、洗浄力の高い洗浄剤を配合できること(クレンジングの種類によって、洗浄力の高い洗浄剤が配合できないものがあります)と、もうひとつは「油だけ」でできていることにあります。

オイルクレンジングは肌によくない?よくある誤解とクレンジングの選び方: me&beaute-Maison KOSÉ (kose.co.jp)

強い洗浄剤+油だけ=汚れがすごく落ちる?

化粧や皮脂は「油」ですから、水を含むより油だけのクレンジングのほうが混じりやすくよく落ちるという考えですね。

ただ余分な皮脂だけではなく、うるおい保持に必要な皮脂まで落としてしまうことがままあるのがオイルクレンジング。

「つっぱる」「乾燥する」と評され、やや避けられがちではあります。

乾燥は毛穴にもよくなさそう…

しかし、洗浄力が高いということはすなわち「汚れをしっかり落としやすい」ということ。

詰まりやすく皮脂も多い毛穴民であれば、毛穴詰まりを防ぐためにもよさそうに思えます。

乾燥するのは嫌だけど、毛穴の為にも汚れはしっかり落としたい。

それをどうにかするために、スポットを浴びたのが「油脂クレンジング」なわけです。

オイルなのに洗浄力が穏やか

洗浄力がやや穏やかなぶん、しっとりと洗い上がるのが何よりの強み。構造が人の皮脂と近いためなじみがよく、肌をやわらげるはたらきが期待できます。

クレンジングオイルとは?種類や選び方、乳化のポイントなど正しい使い方を解説 | 「KOSE」輝き続けるあなたのために。コーセーの美容情報サイト

オイルクレンジングの分類でありながら、穏やかな洗浄力が特徴の「油脂クレンジング」。

植物油脂の主成分は「トリグリセリド(皮脂の主成分)」ですので、肌馴染みのよさを感じる方もいらっしゃるみたいですね。

オイルクレンジングの利点である「オイル由来の汚れ落ちのよさ」はそのままに、欠点だった「うるおいまで落としかねない洗浄力の高さ」をカバーしてくれるのではないかと期待されているようです。

植物成分でスキンケアも

植物由来ですから、もちろんその植物特有の成分も含まれております。

コメヌカ油は、不飽和脂肪酸であるオレイン酸とリノール酸を主成分としているものの、抗酸化物質であるトコフェロールやオリザノールを含んでいることなどから、総合的に自動酸化に対する安定性はやや高いと評価されています

コメヌカ油の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)

たとえば、コメヌカ油ですと「トコフェロール(ビタミンE)」や「オリザノール(ポリフェノールの一種)」などですね。

こういった植物由来成分によって「スキンケアもできるのでは」と期待されているところも人気の秘密ではないでしょうか。

毛穴角栓ケア向けなのは油脂クレンジングだけ?

スキンケアをしている女性の写真

ですが、油脂クレンジング以外にも「洗浄力の穏やかなオイルクレンジング」はないのでしょうか?

おそらく存在はすることでしょう。

そもそも「うるおいを落とさず、できるだけ時間や摩擦をかけず、汚れをしっかり落とす」ということが目的ですから、なにも油脂クレンジングにこだわる必要はありません。

油脂クレンジングとて他のクレンジングとて、配合で使い心地は異なります。自分に合うアイテムを選ぶことが最重要です。

同じオイルクレンジングでも、使い心地は全く違います。「肌をゴシゴシ擦らないと、ベースメイク料となじまない」「洗い流してもいつまでもベタベタする」と感じるものもあれば、「すっとなじむ」「洗い流しも短時間で終了。後肌もスッキリ!」と間逆の感想を持った経験はありませんか?これらは、やはり洗浄剤の種類とその組み合わせと配合量により差が出るのですが、肌負担なくクレンジングを終了するために、とても重要な項目となります。

オイルクレンジングは肌によくない?よくある誤解とクレンジングの選び方: me&beaute-Maison KOSÉ (kose.co.jp)

ただ一度「オイルクレンジング 洗浄力穏やか」で検索してみてほしいのですが、探す難易度がかなり高くなっています。

第一選択肢として、洗浄力の穏やかな「ミルククレンジング」や「ジェルクレンジング」が検索結果に多く引っかかってしまうためですね。

もちろんミルクやジェルでも問題はありませんが、「うるおいを残し汚れがよく落ちる」はクレンジングの目的そのもの。理想のアイテムを探すには量が多く、なかなか骨が折れそうです。

一方「油脂クレンジング」で調べてみると、候補のアイテムはそこまで多くありません。

現状気に入っている使い心地のクレンジングがなく、「洗浄力が穏やかなオイルクレンジング」を探しているのであれば「油脂クレンジング」は選択肢を絞るという点で優秀なのではないでしょうか。

油脂クレンジングの注意点

毛穴民としては気になる要素の多い「油脂クレンジング」。

スキンケアに取り入れるうえで、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。

考えられるのは、以下の3つのポイントです。

1. 濃いメイクは落ち切らない可能性

メイク道具が並んでいる写真

洗浄力が穏やかという特徴から、「濃いメイクが落ち切らない」という声も少なくありません。

とはいえ、擦ったりするのは刺激となるので避けたいところ。

アイメイクなどには、ポイントリムーバーの併用がおすすめです。

ただ、工程が増えるのはやや面倒ではあります。「ノーメイクのときだけ油脂クレンジング」と割り切ってしまうのもいいかもしれませんね。

2. 植物由来のアレルギー

首を書いている女性の写真

化粧品において、アレルギーの問題は無視できません。

植物由来のアレルギーは強く出ることもありますから、アレルギー体質の場合は使う前にかかりつけのお医者様に相談を。

またアレルギーではなくとも、急に洗浄力が下がったことによりお肌の揺らぎを感じる方も一定数いらっしゃるようです。

クレンジング変更の際は、頻度を落として様子をみつつ変えていくようご注意ください。

3. 食用オイルの代替え使用は避ける

オリーブオイルの写真

食用の油脂をクレンジングとして使うのもおすすめできません。

重視する要素が違うため、製造工程や品質が異なるためです。

美容オリーブオイルは、お肌につけても安全なように、不純物などをきれいに取り除きます。一方、食用オリーブオイルは味や栄養価、風味を大切にしています。ですから、製造や管理の方法が異なってきます。

食用オリーブオイルによるメイク落としはお肌に悪い!? | オリーヴの森【公式】 (healthyolive.com)

さらにいえば、界面活性剤を配合しておりませんので水に混ざらず流しても落ちません。

残った油分が酸化すれば、肌トラブルにつながる可能性もありますのでご注意ください。

油脂クレンジングが向いてる人は?

頬の拡大写真

魅力的な「油脂クレンジング」ですが、けして万能なわけではありません。

向いているとしたら、水分と油分のバランスが崩れている「インナードライ」の方ではないでしょうか。

油分も水分も少ない「乾燥肌」であれば、化粧汚れさえなければ水分の多い「ジェル」や比較的やさしい使い心地といわれる「ミルク」。

油分も水分も多い「脂性肌」であれば、とにかく洗浄力の強い「クレンジングオイル」でサッと落とす方が刺激が少ないかもしれません。

お肌は人によって違いますので、あくまでクレンジング候補のひとつと考えるのがよさそうですね。

クレンジングの新しい選択肢

【油脂クレンジングは毛穴ケア向きなのか】
・油脂クレンジング=植物油脂主成分のクレンジングオイル
・肌馴染みがよく洗浄力が穏やかなアイテムが多い
・インナードライの毛穴民におすすめ

まとめるとこんな感じでしょうか。

毛穴に詰まる前に「皮脂や汚れは落としたい」でも「洗浄力は上げたくない」人の新しい選択肢になりそうですね。

とはいえ、「油脂クレンジング」と一括りにしてもその使い心地はアイテムごとに異なります。

自分に合った化粧品探しはトライ&エラー。合う合わないは、実際に試していくしかなさそうです。

ただ「油脂クレンジング」という選択肢が、クレンジング選びに+1されたのは事実。

お肌のインナードライを感じているのであれば、一度試してみるのもいいのではないでしょうか。

では同志毛穴民の皆様。本日も健闘を祈ります。

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