日焼け止めが毛穴詰まるって本当?

「日焼け止めは毛穴に詰まる」という話を聞いたことはないでしょうか?
日焼け止めや化粧下地を選ぶとき
「毛穴が気になるなら、酸化亜鉛フリーがおすすめ!」
なんて文章もよく目にします。
毛穴に詰まるといわれちゃ、我ら毛穴民は黙っておれません。
が、そもそも「酸化亜鉛」とはなんなのか。
本当に日焼け止めは「毛穴に詰まる」のか。
わからないものを敵認定するのは、ちょっと気が早いかもしれません。
粘着質な筆者が、とりあえずどういう仕組みなのか可能な限り調べてまとめてきました。
じゃ、今回もいってみましょう!
日焼け止めの酸化亜鉛ってなに?

そもそも日焼け止めに配合されている酸化亜鉛ってなんなのか。
その名の通り、亜鉛の酸化物です。
亜鉛はミネラルのひとつで、これを酸化させたものですね。白色で粉状の物体です。
「酸化」といわれると我ら毛穴民はイヤ~なイメージがありますが、今回は皮脂(油)の酸化ではないので置いといて。
ベビーパウダーや制汗剤など配合されている商品は多々。日焼け止めや下地には「紫外線散乱剤」としてよく配合されています。
紫外線散乱剤とは

紫外線防止剤とは、
・紫外線を散乱反射させて影響を防ぐ
・汗による化粧崩れやテカリなどを予防できる
・刺激が弱く肌負担が少ない(ノンケミカル)
・白浮きしやすい
・毛穴に詰まりやすいと噂されている
といわれている成分ですね。化粧品に含まれる
・酸化亜鉛
・酸化チタンなど
がこの「紫外線散乱剤」としてよく使われています。
散乱?反射?と言われてもしっくりきませんが、調べてみたところこんな感じの仕組みらしいです。
紫外線散乱剤は、物理的な仕組みで紫外線を散乱、反射させます。散乱剤(パウダー)が肌を均一に覆って紫外線を肌表面で反射、散乱させて紫外線の影響を防ぎます。
花王 | 製品Q&A | 【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの? (kao.com)

パウダー(酸化亜鉛)が鏡のように紫外線を反射させるイメージ…?
と思いきや、
無機顔料における光学的性質の第一因子は屈折率であり、屈折率が大きいほど表面反射(紫外線遮断効果)が大きくなりますが、一方で隠蔽性も高くなります[4a]。
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
屈折とは光の速度が変化して進行方向が変わる現象のことで、屈折率は「空気中の光の伝播速度/物質中の光の伝播速度」で表されます。光の伝播速度は物質により異なり、また同一の物質でも波長により異なるため屈折率も異なります(屈折率の例として水は1.33、エタノールは1.36、無機粉体で紫外線散乱剤として使用されている酸化チタンは2.52または2.72)。
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)

光を水に通すと曲がるように、パウダー(酸化亜鉛)が光をねじ曲げている…?
「反射」というより「屈折」が近いっぽいですね。鏡ほどピカピカじゃないし、顔に金属を塗ってると考えるならわかる気がします。
隠蔽性が高いということは、言い換えれば透明性が低いということであり、酸化亜鉛の場合は酸化チタンほど屈折率が高くないため、塗布時に白くなりにくいという特性から使用されています[4b]。
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)

で、この効果が高いほど白浮きしやすいと。
ちなみに、ノンケミカル(化学物質を含まない)といわれている日焼け止めに入っているのは大体こちら。
「酸化亜鉛は化学物質じゃないのか…?」という疑問はありますが、日本では「低刺激」の意味でよく使われていますね。
パウダーで表面を覆って紫外線を反射させるってことは、

紫外線を反射させる白き鎧を着てるイメージ!
肌自体が頑張るのではなく、鎧(紫外線散乱剤)が頑張っているから肌負担が少ないと言われているわけですね。
見る限りは、白浮きの欠点はあるけど悪くはなさそう。むしろ低刺激なら毛穴にいいのでは…?
「日焼け止め=毛穴詰まり説」の理由

で、ここからが本題です。
肌負担が少ないのに、酸化亜鉛の入った日焼け止めが毛穴に詰まるとはどういうことなのか。
酸化亜鉛の皮脂固化

調べてみて、一番多く気にされていたのがこちら。「酸化亜鉛は皮脂を固める」といった情報ですね。
皮脂ブロックと宣伝されている日焼け止めや、化粧崩れ防止下地などで調べてみてほしいのですが、各メーカーが「皮脂吸着」「皮脂固定」成分として「酸化亜鉛」を配合しはじめたのがきっかけだそう。
酸化亜鉛華は皮脂固化能を有しており、このため化粧崩れ等の防止に有効である。
JP3522955B2 – 酸化亜鉛被覆物及びそれを用いた脂肪酸固化性粉体、皮膚外用剤 – グーグル特許 (google.com)
ハイドロキシアパタイトと、酸化亜鉛とを含有し、好ましくは該基体の表面をハイドロキシアパタイトで被覆し、更にその表面に酸化亜鉛を固着した被覆物を含み、特に化粧料、皮脂吸着剤、体臭消臭剤等に適しており、これを使用して化粧料、皮脂吸着剤、体臭消臭剤等を提供することができる。
特許公報(B2)_皮脂吸着性粉体及びその使用 (biosciencedbc.jp)
もとは「皮脂による化粧崩れ」や「テカリ」に注目された研究がなされた結果のようですね。

低刺激で化粧崩れ防止なんてうれしい…!!
なんて、のんきに言ってられればよかったのですが。
「皮脂を固めて」テカリや崩れを防止しているということは、皮脂はお肌の上で固まっているわけで。
結果的に「皮脂入り酸化亜鉛が毛穴が詰まって悪化するのでは?」という疑問が生まれてしまったわけですね。
酸化亜鉛の収れん作用

そもそも、毛穴の奥にはしつこい角栓が住み着いています。
「表面だけなら落とせばいいのでは?」
と思わなくもないですが、そこに待ったをかけたのがこちら。
酸化亜鉛の「収れん作用」。
酸化亜鉛は収れん性を有していることから皮膚炎などの治療薬として使用されており[6b]、化粧品においても毛穴の引き締めなどを目的にボディパウダー、制汗剤などに使用されています。
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
ちなみに、よく聞く「収れん効果」ってどういう効果なのかというと、
皮脂腺や汗腺の開口部を凝固・収縮させることにより発汗や皮脂を抑制する目的や皮膚のタンパク質を収縮させることにより肌をひきしめる目的で使用されています
収れん成分の解説と成分一覧 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
「皮脂や汗の入り口を固める&皮膚のタンパク質を縮めて」汗や皮脂の抑制や肌のひきしめをしてくれる効果だそう。

低刺激で皮脂ブロックで皮脂抑制なんて素敵!
なんて、のんきに喜んでいられればよかったのですが。
「酸化亜鉛は皮脂を固める」わけで。それが肌の上でキュウッと「収れん」した結果、「角栓の材料(タンパク質+皮脂)になって余計毛穴が詰まるのでは??」という説につながってしまった訳ですね。
いやにマイナス思考がすぎる気もしますが…。たしかに「皮脂固化」後の「収れん」は不穏な響きかもしれません。
酸化亜鉛のコーティング

とはいえ、酸化亜鉛の収れん効果も永続的なものではありません。角栓が作られる前に落とせれば問題ないのではと思わなくもないですが、
そこに待ったをかけたもうひとつがこちら。
酸化亜鉛に施されている「コーティング」です。
酸化亜鉛は光触媒活性を有しており、光を照射すると表面で強力な酸化力を発揮し、共存するオイルや有機色素を酸化分解して異臭や変色を引き起こしたり、皮膚表面に対する安全性を著しく損なうことから、化粧品に使用される場合は必ずシリカやシリコーンなどで表面を処理し、光触媒活性を抑えた上で配合されています
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
酸化亜鉛を紫外線散乱剤として使用する場合、その効果を発揮させるには粒子の分散をよくする必要があり、分散性を高めるために様々な成分で表面をコーティングする技術が使用されています。
酸化亜鉛の基本情報・配合目的・安全性 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
要約すると、

酸化亜鉛を使うときは、安全に&肌に広がりやすくするためにコーティング必須!
というわけですね。
で、「コーティング剤」として主に用いられると考えられているのが以下の成分です。
シリカ
イソステアリン酸
ジメチコン
トリエトキシカプリリルシラン
ハイドロゲンジメチコン
メチコン
メチコン類がいわゆるシリコーン類。どれも化粧品によく使われていて、シリカ以外は撥水性という特徴をもっているそう。
酸化亜鉛系の下地や日焼け止めは「化粧崩れ防止」と宣伝されているものもよく見ます。
これらが要因になっているかはわかりませんが、酸化亜鉛の特徴と撥水性を合わせると、汗にも強そう。

低刺激で皮脂ブロックで皮脂抑制で汗にも強いなんて最高~!!
なんて、のんきに笑っていられればよかったのですが。
汗に強いということは、「クレンジングや洗顔でも落ちにくい!?」という可能性もなきにしもあらずというわけで。
3要素が揃った結果、「落ち切らなかったコーティング酸化亜鉛が、固めた皮脂と共に収れんし、じわじわ毛穴を圧迫していくのでは?」とした恐ろしい仮定が生まれてしまったわけですね。

なにそれ怖い…
コーティング剤は毛穴詰まる?

ただシリコン含むコーティング剤が「毛穴を詰まらせる」という明確なエビデンスは見つかりませんでした。
コンディショナーの成分として毛髪に残ったシリコーンも、次の洗髪時には洗い流されるため、毛髪に蓄積したり、毛穴に詰まることもありません
【知って、なるほど化粧品】シリコンについて | 美容の情報 | ワタシプラス/資生堂 (shiseido.co.jp)
コンディショナーの場合なので肌とは少し異なるかもしれませんが、通常シリコンは洗浄時に洗い流されるようです。
が、これはあくまで頭髪の話。「洗浄力が低い洗顔やクレンジングでも落ちきるのか」という懸念は残るところです。
酸化亜鉛の金属アレルギー

最後は酸化亜鉛の性質というよりは、体質のお話。
ネックレスなどのアクセサリーを付けていて、肌が痒くなることはありませんか?
そういった方はもしかしたら「金属アレルギー」かもしれません。
ファンデーションや日やけ止めには「酸化チタン」や「酸化亜鉛」、「酸化鉄」といった金属の名前が含まれる原料を配合していますが、これらは金属酸化物といって、金属に由来する化合物です。
金属アレルギーなのですが、使っても大丈夫ですか。 – KOSÉ | よくあるご質問・お問い合わせ (kose.co.jp)
販売する以上、安全確認はされていると思います。ですが、アレルギー反応は個人差が大きいので「化粧品の配合成分に反応してしまう」可能性もゼロではありません。
つまり炎症を起こして肌が荒れたり、毛穴が皮膚を守ろうと「炎症毛穴皮脂爆裂放出→毛穴拡大」する可能性もゼロではない、と。
化粧品のどの成分でも起こりうることではありますが、アクセサリーでかゆみが出る人は使う前に医師に相談するか、少なくともパッチテストをして確認したほうがいいかもしれません。
日焼け止め=毛穴詰まりする人って?

悪い方悪い方に仮定しましたが、じゃあ「酸化亜鉛入りの日焼け止めは全員毛穴に詰まるのか?」といわれるとそうも言い切れません。
・角栓が溜まりやすいニキビ肌や毛穴肌
・酸化亜鉛で金属アレルギーに反応がある
・マイルドなクレンジング&洗顔愛用者
もし毛穴に詰まる可能性があるなら、こういう感じでしょうか。
毛穴がもともと詰まりやすいのであれば「皮脂固化+収れん」のコンボは不穏ですし、アレルギーがあるのであれば言わずもがな荒れます。マイルドなクレンジングや洗顔ですと「化粧・皮脂崩れ防止」など謳われている日焼け止めは、酸化亜鉛が落としきれない可能性も拭えません。
酸化チタンも毛穴に詰まる?

では、似た名前で同じ紫外線散乱剤である「酸化チタン」も避けなきゃいけないのでしょうか?
毛穴詰まりに関して言えば、特に避ける必要はないと思います。
そもそも酸化亜鉛の「紫外線散乱」といった効果は毛穴悪化には関係ありません。
酸化チタンとくに「皮脂固化」といった特徴は聞きませんし、「収れん」作用もないといわれています。
酸化チタンは、収れん性がなく、皮ふに対して活性を持たないため、肌に対して刺激がとても少ないのが特長。
酸化チタンとは | 成分について | 肌ケア情報 | Avene
警戒するとしたらコーティングによる落としにくさですが、これはどの成分にもいえることなのであえて酸化チタンを避ける理由にはならないかと思います。
ただし酸化チタンは金属アレルギーがでる可能性がありますので、こちらは注意が必要ですね。
酸化亜鉛&酸化チタンは悪い成分?

じゃあ「酸化亜鉛や酸化チタンは悪い成分?」かというと、そういうわけでもありません。
この2つを組み合わせれば「低刺激」で「汗で落ちにくく」しっかり「紫外線対策」ができるので、
・敏感肌で毛穴よりもシミやシワが気になる
・日焼け止めの塗り直しがこまめにできない
・汗をよくかくしテカリが気になる
といった方であれば向いているのではないでしょうか。
毛穴が気になるいちご鼻でも「メラニン(色素沈着)タイプ」の方であれば、あえて紫外線散乱剤を選ぶのも悪くないかと思います。
酸化亜鉛は落とせるという意見も

さて、「酸化亜鉛」が落ちにくいといわれている説についてお話しましたが、一方で
「オイルクレンジングなど洗浄力の強いものを使えばしっかり落ちる」
といった意見も存在します。実際のところ酸化亜鉛は、低刺激で紫外線対策に関しては極めて優秀な成分なのです。
皮脂崩れ防止などの特徴は、皮脂が多い毛穴肌こそ使いたい…!
高い洗浄力は肌負担に
ですが、洗浄力を上げるというのは肌負担を上げるということ。
洗浄力が強いオイルクレンジングを毎日使うのはどうでしょうか?肌のうるおい(セラミドやアミノ酸)を落としすぎな気がします。
酸化亜鉛系の日焼け止めは「ここぞ!」という外出日に使うのが理想的かもしれませんね。
毛穴詰まりしにくい日焼け止めは?

じゃあ毛穴民は普段「日焼け止めなんて使わない方がいいのか…」というと、そういうわけにもいきません。
日焼けは皮脂の酸化や老化にもかかわります。物理遮断できるのなら越したことはないですが、オールデイ黒子スタイルはやはり無理があります。
ここで出てくるのが、今話題の「酸化亜鉛フリー」な日焼け止めわけですね。
我々にはまだ残っていますよ「紫外線吸収剤」が!
紫外線吸収剤とは

・紫外線を吸収変換して紫外線の浸透を防ぐ
・白浮きしにくい
・毛穴に詰まりやすいといわれていない
・肌上で化学反応が刺激になる可能性
・成分自体に汗や皮脂抑制する効果はない
・光で劣化する可能性
と言われている成分です。化粧品に含まれる、
・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
・メトキシケイヒ酸オクチル
・パラメトキシ桂皮エチルヘキシル
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
・ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
・エチルヘトキシルトリアゾン
・ポリシリコーン-15
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなど
これらの成分が「紫外線吸収剤」としてよく使われています。仕組みとしてはこんな感じですね。
紫外線吸収剤は、化学的な仕組みでエネルギーを吸収し、熱などのエネルギーに変換して紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぎます。
花王 | 製品Q&A | 【成分・働き】紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の違いは?どうやって見分けることができるの? (kao.com)

ボス(紫外線)の攻撃を吸って、自分の力に変換的な…?
攻撃も回復もできませんが、紫外線が肌に浸透してしまうのは十分に防げるといわれています。
ただその性質上、酸化亜鉛などより肌負担がかかる可能性はぬぐえません。熱や化学反応によるダメージですね。
紫外線吸収剤は光で劣化する?
紫外線吸収剤について調べていると「光で成分が劣化して、徐々に効果が薄れる」といったお話をたびたび目にします。
UV吸収剤の中でoctyl methoxycinnamate(OMC)と4-tert-butyl-4′-methoxydibenzoylmethane(BMDBM)が汎用されており, また, 使用中に光劣化することが知られている。UV吸収剤を皮膚へ塗布し太陽光に曝露されたときに生じる光劣化は, 光防御効果を低下させ, その結果, 紫外線紅斑の生成や光老化皮膚の形成を加速する。
UV吸収剤の光安定化に関する基礎的検討 (jst.go.jp)
紫外線吸収剤の光劣化については「成分によって差がある」など諸説いわれていますが、肌上で起こす化学反応で紫外線の影響を防いでいるのですから、それによる劣化も一理あるのではないかと思います。
が、そもそも日焼け止めは紫外線吸収剤だろうと紫外線散乱剤だろうと2~3時間おきの塗り直しが推奨されているので欠点と決めつけるのはむずかしいところ…。

でも現実問題、化粧しながら日焼け止めの塗り直しって無理じゃない?
う、たしかに。紫外線の影響を防ぎたいけれど、日焼け止めを化粧したまま塗りなおすのも難しい。もしかして、日焼け止めってそんなに万能ではないのでは…?
日焼け止めは毎日塗らなきゃダメ?

とはいえ、基本的には毎日紫外線対策はするべきだと思います。
紫外線のダメージは美容の観点からいえばそれほどダメージが強いからです。
しかし、それは日焼け止めを毎日塗るべきというお話ではありません。
日焼け止めの肌負担はゼロではない
肌の上に化粧品を塗っている以上「摩擦+成分による刺激」を完全に防ぐことは不可能に近いかと思います。
日焼け止めを塗るのはあくまで「紫外線ダメージ>摩擦や成分の刺激」だからということですね。この図式が反転する場合、日焼け止めはデメリットにしかなりません。

カーテンを閉めてずっと部屋にいるなら、日焼け止めは必要ないもんね
外出時はたとえ塗り直しができなくても塗って家を出た方がいいと思いますが、休日は塗らずに過ごした方が肌を休められていいかもしれませんね。
SPFは高いほどいい?

日焼け止めには、選ぶ際にSPFやPAといった強さを示すわかりやすい数値があります。
ですが「SPFは高いほどいいか」というと、そこもまた難しい話。
先ほどもいったとおり「紫外線ダメージ>摩擦や成分の刺激」の図式がひっくり返れば意味がないからです。
日焼け止め自体は紫外線から肌を守ってくれるものですが、紫外線吸収剤の量が多いほど肌負担が上がるのはうなずける話。その分、化学反応も増えますから。
必要以上に性能が高い日焼け止めは、落としにくいなど肌に負担がかかって肌トラブルを引き起こす原因になることもあるため、シーンに合わせた日焼け止めを選びましょう。
SPF・PAってなに?自分に合った日焼け止めの選び方|肌育研究所 (yuskin.co.jp)
酸化亜鉛に関しても、量が増えれば落としづらくなる可能性はあるのではないでしょうか?
だからといって、シーンに合わせて日焼け止めを何本も持つのは経済的ではありません。

お財布に大打撃…!
せいぜいデイリー用にSPF低めが1本、外出用にSPF高め1本ではないでしょうか。
使用期限もありますから、どっちかひとつを選ぶとしたら私ならSPFが高い日焼け止めを選びます。「肌が荒れないのであれば、わざわざ低いものを選ぶ必要もない」という考えだからですね。
ただ毛穴や肌荒れが気になる場合は、日焼け止めがその一因でないとは限りませんから、SPFを下げ紫外線物理遮断を増やして様子を見るのも手かもしれませんね。
食品の「亜鉛」も毛穴詰まりに?

調べていた結果見つけたのですが、まれに「亜鉛=毛穴詰まり」と勘違いをして気にして食べないという人がいる、らしいです。本当…?本当にいますか…?
本当はそんな人はいないと思いたいですが、念のため…。
亜鉛は体内で作られない「ミネラル」です。体中のありとあらゆる作用に関係します。
亜鉛は体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約2~4g存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれます。200種以上の酵素の構成や酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用し、身体の成長と維持に必要な栄養素です。また、味覚に関わる細胞をつくる働きもあるので、食べ物をおいしいと感じるのに欠かせません。
亜鉛|栄養素カレッジ|大塚製薬 (otsuka.co.jp)
食品に含まれる亜鉛は、毛穴詰まりには全く関係ありません。
防ぐと逆に欠乏症もあるミネラルなので、栄養士としては過剰に禁止しないでいただけるとありがたいです。
とはいっても、普通に食事をとっていればめったに不足する栄養素ではありませんので過剰に意識する必要もありません。
万が一、万が一、亜鉛を毛穴詰まりを理由に控えている方がいたら!そっと教えてあげてください。
結論:酸化亜鉛は毛穴詰まりの可能性あり
【酸化亜鉛は毛穴に詰まるのか否か】
・酸化亜鉛は「皮脂結合」「収れん」の作用をもち毛穴に詰まる懸念アリ
・「コーティング」されており落ちにくい可能性アリ
・金属アレルギーによる炎症が起こる可能性もアリ
いろいろ脱線しましたが、「酸化亜鉛=毛穴詰まり」説のまとめはこんな感じでしょうか。
肝心の日焼け止め選びに関して言えば、
【毛穴民の日焼け止め選び方】
・毛穴が気になるのであれば「酸化亜鉛フリー」が無難
・ここぞというときに「酸化亜鉛入り皮脂崩れ防止系」を使うのはアリ
・酸化亜鉛入りを使った後は、しっかりクレンジング
・毎日日焼け止めではなく、物理遮断と組み合わせて肌負担に気遣いを
こんな感じでしょうか。
やみくもに禁止にせず、特徴を理解して使い分けていく感じですね。
では同志毛穴民のみなさま、本日も健闘を祈ります。