まず最初に。
こちらの記事はただの体験談で、劇的に改善する施術やスキンケアなどの紹介はありません。
そのことをご承知の上で、この記事を書くに至った経緯を少しお話させてくださいませ。

こちらは、今の私のフェイスラインのニキビ跡の写真です。
「なんだ、そんなにひどくないじゃない」とガッカリした方もいらっしゃるでしょう。
申し訳ないのですが、一番ニキビがひどかった時の写真は残っていないのです。
かつて私がフェイスラインのニキビについて悩んでいたころ、毎日検索をしては治療方法やスキンケアの情報を集めていました。
ですが何をやっても改善せず、毎日消えてしまいたい気持ちでいっぱいで、鏡やガラスと向き合うのも苦痛で。とても写真を撮って記録する気持ちにはなれませんでした。
今回私がこの記事を書くに至ったのは、そんなとき「フェイスラインのニキビが治った人の体験談」が全く見つからなかったからです。
検索で見つかるのはクリニックや化粧品メーカーの広告ばかりで、もしかしたら「フェイスラインのニキビは一生治らない?」のではないかと恐怖しました。
できるのであれば、そんな恐怖を味わう人間が少しでも減ればいいと思いこの記事を書くに至りました。
もう一度いいますが、この記事では特定商品のPRや施術への誘導は行いません。ただの治るまでの体験談です。万人に効く、ニキビを治す方法を紹介するものでもありません。
それでも問題や抵抗のない方のみ、どうぞ続きをご覧ください。
フェイスラインにニキビ発生
フェイスラインにニキビができ始めたのは、三十路を過ぎたころ。
ブワリと広がるかのように、顎裏から両頬にかけて赤いニキビが皮膚を覆いました。
調べた結果、このように大人になってからのニキビの原因はいくつかあるようでした。
1. ホルモンバランスの乱れ
2. ストレスによる乾燥や皮脂過剰
3. 腸内環境の乱れ
4. 誤ったスキンケアや生活習慣の乱れ
スキンケアは変えていないし、加齢で崩れたホルモンバランスなんてどう整えればいいのか見当もつきません。
ストレスが原因だとしても、乾燥なのか皮脂のせいなのかもわからず途方にくれました。
すぐに皮膚科の予約を取りましたが、予約日まで待つ時間が苦痛でした。
1. スキンケアを見直してみる

居ても立っても居られず、まずはスキンケアの見直しからはじめました。
酵素洗顔やピーリング、殺菌作用の高い石鹸や、検索に引っかかった美容法など、「ニキビに効く」と話題になったものはなんでも試しました。
悪化もしませんでしたが、改善もまったくしませんでした。
ただただフェイスラインが真っ赤で、ニキビがつぶれては新しいニキビが繰り返しできました。
2. 生活習慣で対処してみる
次に生活習慣を見直してみました。早寝早起きとストレッチ、軽い運動。
フェイスラインの血の巡りをよくするマッサージ、なんて宣伝されていたものも試しました。
相変わらずまったく変化がありませんでした。
でもやめることで
「もっと悪化したらどうしよう」
「少しでもニキビの治りが悪くなったらどうしよう」
と思うとやめることもできませんでした。
今思えば、変化がないのだからやめたところで変化もほぼないでしょうに。
それでも継続で変化があるかもしれないと続けました。
3. 外用薬とビタミン剤で対処してみる
ようやく予約日になり、皮膚科の先生に診てもらうことができました。
アダパレンや抗菌軟膏、ヘパリン類似物質、ビタミンCとBの錠剤が処方されました。
悪化しました。ニキビの範囲は、耳のすぐ横まで広がりました。
ヘパリン類似物質の油分が合わなかったのかと思い急いで控えましたが、ニキビの範囲は広がったままでした。
もう何が原因で何が正解か、わかりませんでした。今やっているケアこそが原因なのかと、すべてやめたこともありました。
何も変わりませんでした。
皮膚科は継続して通いましたが、今の処方で経過を見るように言われました。
4. 食生活で対処してみる
もうあとできることは食生活の見直ししかないと、甘いものや油分の高いものを断ちました。
これがとても打撃を与えました。ニキビにではありません、メンタルにです。
ニキビは何の変化もなく私を追い詰め、さらに食べ物を制限することでストレスの発散もできなくなりました。
死にたい消えたいと毎日つぶやく日々でした。
このフェイスラインを覆うニキビのせいで、やらなきゃいけないことは多いし、お金は無くなるし、時間はかかるし、食べたいものも食べられない。
もう諦めたいとすら思うようになっていました。でも何もしなければしないで、鏡やガラスに映る自分が目に入るたびにストレスで気が狂いそうでした。
5. 内服薬で対処してみる
婦人科にも通い始め、ピルを処方してもらいました。
なんとなく肌の油分やニキビに影響があったような気がしましたが、血液検査で引っかかってしまい中止せざるを得なくなってしまいました。
次に出してもらったのが、漢方薬でした。
ひとつめに処方してもらったものは全く効かず、正直「こんなやさしそうな薬じゃ意味ない」とすら思いました。
しかしそのあとに処方してもらったものが、体質にぴったり合致。
みるみるニキビが引いていきました。
何の成分が効いているのかもわかりませんが、こんなにあっさり治るものなのかと。
これまでのケアなんて本当に、なんの意味なかったじゃないかと。
でもそれ以上に、やっと解放された安心感が大きくて少し泣いたのを覚えています。
実際に処方された漢方薬は、一般的に流通しており薬局でも購入できるものです。
どの程度のお話で「薬機法」に触れてしまうのかわかりませんので名称は伏せますが、皮膚科にて医師に相談して頂ければいくつか候補を出していただけるかと思います。
正直ひとつめは本当に!何にも!ニキビに変化がなかったのですが、「前の漢方効かなかったから、他の漢方もやめときます」とういうのは少し待って欲しいです。
また流通しているものよりも、処方してもらったもののほうが薬効がやや高い場合もあるそうです。副作用や飲み合わせもあります。試してみる場合は個人的に入手せず、お医者さんに処方してもらってください。
選択肢が減っていく恐怖
ひとつひとつケアを増やしていくたびに、増えていったのは恐怖でした。
「これも効かないし、もう何も効かないかもれない」
「もう一生治らないのかもしれない」
怖いから努力し、努力するほど怖くなる悪循環。
反対に、時間もお金も心の余裕もなくなっていきました。
心を一番大切にしてほしい
フェイスラインのニキビが「努力をすれば必ず治る」とは、私は思いません。
結局私が頑張った努力はほぼ徒労でしたし、治ったのは運よく体質に合う薬が見つかっただけです。
薬を飲み始めてからというもの、甘いものも揚げ物も食べますし、運動も特にしていません。
それでも以前ほどニキビができることがないのですから、きっと私のニキビの原因は薬でしかなんともならないものだったのでしょう。
ニキビは心を追い詰めます。
なにが効くかわからない状態のときは、余計に追いつめられると思います。
だからこそ、もし昔の私のようにフェイスラインのニキビに悩んでいる方がいるのであれば、自分の心を一番大切にしてほしいです。
先がみえないからこそ、心が壊れないように息抜きしつつ大切にしてあげてください。死にたい気持ちになることもありますが、死なないでください。
一日でも早く、ニキビが治る方法が見つかりますように。この体験談が、すこしでも力になれれば幸いです。