グリシルグリシンは毛穴に必要?スキンケア追加するべきか否か

グリシルグリシンは毛穴に必要?

頬の拡大写真

日々毛穴と戦っている同志毛穴民の皆様、いかがお過ごしでしょうか。

毛穴ケアを調べているとき、グリシルグリシンの名前は目にしていませんか?

グリシルグリシンは毛穴トラブルへのアプローチのひとつとして、数年前から推されている成分のひとつです。

SNSでもたびたび話題になりますが、「毛穴ケアに!」としか書いてなくてその実態は謎。なんて認識の方もいるかもしれません。

毛穴が軽度で「ついでに効けばいいや」程度であればそれでももちろん大丈夫です。

ただ「毛穴の開き絶対許すまじ」な毛穴過激派としては、少しでも無駄なく納得できる効果のあるものを選びたい。

じゃないとお財布とメンタルへの打撃がやばい。

というわけで、グリシルグリシンの毛穴への効果を調べてみました。

では、いってみましょう。

グリシルグリシンって何

化粧品のボトルが並んでいる写真

そもそもグリシルグリシンとはなんなのか。簡単にいうとペプチドの一種です。

元をたどればアミノ酸で、2つくっついたものですね。長いので「GG」や「グリグリ」なんて略されることもあります。

資生堂が「毛穴の目立ち」に注目して研究した成分で、評判が広がり今ではいろんなメーカーの「毛穴ケア」商品にたびたび配合されています。

なんならグリシルグリシンが主成分なので「毛穴ケア」と謳っている商品も少なくはありません。

グリシルグリシンの毛穴効果

苺が3つ並んでいる写真

じゃあ毛穴にどう効くのかというと、まずは「なんで毛穴が開いているのか」という話から。

我らの毛穴を鏡でじっと見てみると、どうでしょう。周りがぷっくりと盛り上がっていないでしょうか?

さながら苺の表面…。種が詰まっている部分のように盛り上がっているとしたら、それがいわゆる「すり鉢状毛穴」です。

↑(こんなん)

ぷっくり盛り上がっている故に影ができ、より目立つという悪しき毛穴です。許すまじ。

それでもってその毛穴、中に油がじっとり溜まってはいないでしょうか?どうやらこの皮脂中の「不飽和脂肪酸」こそが毛穴に悪影響を与えているのだそう。

皮脂にはさまざまな成分が入っていますが、中でも毛穴が目立つ方は「不飽和脂肪酸」という成分の比率が高い。不飽和脂肪酸を肌に塗ってみると、やはり肌あれが起きたことから、不飽和脂肪酸こそが毛穴周りの肌に悪影響を与えていることが証明されたのです。

女性の肌悩みNo.2の「毛穴の目立ち」は、解消できる!? | IFSCC大会受賞研究の紹介 | 研究 / サプライネットワーク | 資生堂 企業情報 (shiseido.com)

で、その不飽和脂肪酸による悪影響を直接どうにかしようと考えられたのが「グリシルグリシン」という訳なのです。

「毛穴の炎症」にグリシルグリシン

聴診器の写真

先ほどすり鉢状毛穴に悪影響というお話の「不飽和脂肪酸」

この不飽和脂肪酸が毛穴に炎症(肌荒れ)を与えるというメカニズムは以下の通りです。

不飽和脂肪酸は、プラスの電荷をもつカルシウムイオンという物質を通す出入口のスイッチを「オン」に変えてしまうのです。すると細胞内のカルシウムイオン濃度が高まり、これを合図に細胞が別の炎症を起こすシグナルを分泌させ、その結果、肌あれが起きてしまいます。

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カルシウムイオンが炎症の原因ってこと?

じゃあ

「カルシウムイオン自体を減らしたほうがいいんじゃないの?」

と思いきや、どうやらカルシウムイオンについては、こういった研究結果もでているそう。(注:上はマウス実験)

角層の内側にある顆粒層細胞の細胞死の過程では、細胞内のカルシウムイオン(Ca2+)濃度が約1時間上昇した後、Ca2+濃度が高いまま細胞内が酸性化することが分かりました。この酸性化がないと、核の消失が起こらず、正常な角層細胞(Corneocyte)になりません。

皮膚表皮細胞の細胞死過程を解明-細胞内の酸性化が正常な角層形成に重要-:[慶應義塾] (keio.ac.jp)

Caイオンは、表皮・顆粒層に多く分布し、表皮細胞が分化・成熟して、健康でうるおいのある肌(角層)を形成するために必要な成分であるといわれています。細胞が角層細胞に変化するためのスイッチのような役割を果たします。Ca イオンが少ないと、細胞の分化が不完全で、健康でうるおいのある肌(角層)が形成されないと考えられています。

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カルシウムイオン自体をなくしても「不完全角化」で荒れる、と。

解釈が正しいのであれば、

カルシウムイオンの絶妙なバランスが大事なのに、そのバランスを崩してるのが「過剰な不飽和脂肪酸」というわけなのでしょうか。皮脂の多いわれわれ毛穴民は軒並みこれが多いと…。

じゃあどうするのかというと、

不飽和脂肪酸がプラスの電荷をもつカルシウムイオンの出入口のスイッチを「オン」に変えるなら、細胞内のプラスの電荷を中和させるマイナスの電荷をもつ物質が流入する出入口を「オン」にする成分を配合したらどうかと考え、「グリシルグリシン」を探し出しました。グリシルグリシンを配合した溶液を2ヵ月間使用する試験を行ったところ、実際に毛穴の目立ちを改善する効果が認められたのです。

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ボス(不飽和脂肪酸)の攻撃(カルシウムイオン濃度UP)無効化しちゃおうぜ!

っていうのがグリシルグリシンなわけですね。その発想はなかったー。

また、グリシルグリシンはアミノ酸がつながったもので、高い保湿効果を発揮することも分かりました。

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おまけに保湿効果もついてくるそうです。元はアミノ酸だもんね。

「毛穴ケア→皮脂抑制」以外の選択肢

油の写真

我々毛穴民(特にすり鉢状毛穴)の毛穴ケアといえば、今まで「皮脂を減らす」「皮脂を抑える」といったものが中心だったかと思います。

が、毛穴の油は無限に湧き出てくる!なんなら念入りにケアしても、1時間後にはじっとり染み出してくる!

ですが、グリシルグリシンはどうでしょうか?

グリシルグリシン自体には「皮脂を抑える」といった効果は不随していません。保湿されて少し抑えられればいいなというくらいです。

「皮脂(不飽和脂肪酸)による悪影響を抑える」という、いわば「皮脂と共存できる毛穴ケア」は今までほぼなかったのではないでしょうか?

もちろん皮脂自体を減らすことを諦めるつもりはありませんが「皮脂が出る→毛穴ケア無意味だったかも…」といったメンタルは少なからず救われるかと思います。

たとえ油が毛穴全体にギトっていても「グリシルグリシンが炎症は緩和してくれてるはず!」と思えた方がマシです。

グリシルグリシンは誰でも使えるのか

スキンケアをする難しい顔をした女性の写真

ただグリシルグリシンがどんな人間にも合うかといわれると、断言はできません。

どんな化粧品も相性というものがありますが、先ほどの研究結果の解釈が正しく「カルシウムイオンバランスが大事」なのであれば、逆にイオンバランスが崩れていない人間にグリシルグリシンを塗って「不完全角化」が起こり肌が荒れる事があってもおかしくないのではないでしょうか?

果たしてグリシルグリシンは「カルシウムイオン濃度を下げている」のか、正常なラインで自動的に不活性化し「カルシウムイオン濃度を正常なバランスまで整えている」のか…。探してみましたが詳しい情報は見つかりませんでした。

最適なイオンバランスにもっていく「適正濃度」は個人で異なることはないのでしょうか?これが「肌に合わない」という口コミにつながっているのであれば、もうすこし情報が欲しいところではあります。

油ギトギト肌にとっても、たっぷり使えばいいという訳ではないのかもしれません。

流通している化粧品で5~6%くらいの濃度が多いのは、おそらくそのくらいが適正な人間が多いのでしょう。資生堂の実験でも2か月間使用しているところを見る限り、効果を感じられるのもそれくらいの期間が必要なのかもしれません。

効果が薄いからと粉末で買って「大量に混ぜて濃度増やしちゃおう!」と個人判断でするのはトラブルを招く可能性もあります。元がアミノ酸であり刺激的なイメージが少ないからこそ、注意していきたいですね。

結論:とりあえず試してみるところから

動物と鼻を突き合わしている人間の写真

【グリシルグリシンは毛穴に必要か否か】

・グリシルグリシンは「不飽和脂肪酸」の起こす炎症の原因に直接働きかける
・グリシルグリシン自体に直接的な「皮脂抑制」効果はない(保湿効果はあるらしい)
「皮脂が出てても機能する」という「皮脂撲滅過激派」メンタルにやさしい成分

特徴をみるかぎり、毛穴に悩んでいるなら「とりあえず試す」のはアリかと思います。

比較的プチプラと呼べるアイテムも多く、皮脂の主成分である不飽和脂肪酸をたっぷり宿しているわれわれに効果的な可能性は少なくありません。

ですが「合う合わない」があるのが化粧品。セール中だったからといって、試すまえから何本も買いだめするのはおすすめしません。

化粧品が複数転がっている写真

このグリシルグリシン、SNSや口コミでは「効果があった!」という声の一方で「効果がわからない」という声もよく目にします。

かくいう私も、3か月ほど使っていますが効果のほどはわかりません。なぜなら正直どの化粧品の効果かわからないからです。効果があるとしても、そのくらい柔らかな変化なのかもしれませんね…。

効いているかもしれないし、効いていないかもしれない。ですが、少なくとも不飽和脂肪酸の悪影響を緩和するメカニズムに対しては納得して使っています。

とりあえず気になる部分に1本使い切ってみて、それから続けるかはお財布と相談でいいと思います。効果がないと思っているのに使い続けるストレスは、毛穴に悪影響ですから。

私は「皮脂出てるけど、グリシルグリシン効果で悪影響はマシ」というスタンスがメンタル上助かっているので、もうしばらくは使い続けたいと思います。

では毛穴民同志のみなさま、本日も健闘を祈ります。

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