アゼライン酸併用不可成分は?注意点と併用不可のワケ

Q. アゼライン酸に併用不可成分はある?

化粧品と植物が置いてある写真

アゼライン酸には併用不可成分がある、という噂を耳にしたことはないでしょうか?

「アゼライン酸はレチノールと一緒に使えない」

「アゼライン酸とビタミンCは併用不可!」

なんて口コミを、SNSなどで見かけたことがある方も多いかもしれませんね。

ですが、アゼライン酸が配合されているアイテムには「併用不可成分」の指定がないものも存在します。

果たして「アゼライン酸」に「併用不可成分」は本当に存在するのか否か。

存在するとしたら、アゼライン酸を使う時は全ての化粧品で組み合わせを考えなければならないのか否か。

今回も粘着質に調べてまとめてきました。

では、本日もいってみましょう。

A. 「アゼライン酸」自体に併用不可成分はない

スポイトで実験している写真

結論からいってしまいますと、アゼライン酸は遺伝毒性試験などの安全性試験が陰性の成分であり特定の「併用不可成分」があるという情報はありません。

アゼライン酸は、小麦粉やライ麦などの穀類に含まれる飽和ジカルボン酸で、催奇形性試験、遺伝毒性試験および耐性獲得試験がすべてで陰性であり、安全性が高い薬品です。

アゼライン酸 (my-hifuka.com)

海外ではニキビ治療にも使われている成分で、

「長期利用できる」「妊婦さんも使える」

という特徴から第二選択肢として使われています。

安全だと考えられているからこそ、医薬品としてだけではなく化粧品としても活躍しているというわけですね。

Q. アゼライン酸の併用不可の噂はなぜ?

スキンケアをしている女性の写真

安全性が試験され、広く活躍しているアゼライン酸。

ではなぜ、アゼライン酸には併用不可成分があるといわれるようになったのでしょうか。

A. 一部アゼライン酸配合アイテムが併用不可

日本で流通している「アゼライン酸配合」のスキンケアアイテム。

これらの一部アイテムが「併用不可成分」を指定しているのが噂の元のようです。

洗顔、化粧水、保湿剤(乳液・クリーム等)、日やけ止めについては併用いただきたいですが、他の美容液との併用はおすすめしておりません。また、 AZAセラムやVCEセラムの同じ部位への併用はお控えください。

ダーマセプトRX AZAセラム | ロート製薬オンライン【公式】 (rohto.co.jp)

アゼライン酸は「混ぜたら危険」な指定成分はないはず…。なぜ、特定のアゼライン酸アイテムと他の美容液の併用は推奨されないのでしょうか。

アゼライン酸コスメが併用不可な理由

首を書いている女性の写真

化粧品の注意事項の理由はアイテムによって異なりますが、「併用不可」アイテムをまとめてみると以下の2つの要素が関係するのではないかと考えられます。

1. 刺激を感じる可能性

まずは、アゼライン酸自体の刺激によるもの。

アゼライン酸は、塗った直後に「熱感」「ピリピリとした刺激」「かゆみ」などを感じる可能性がある成分といわれています。

同じ部位への併用はお避けください。 同じ部位に使用されますと、ピリピリと刺激を感じる場合があります。また、同じような成分が入った他社商品との併用もお控えください。

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一部アイテムでは、「刺激をより強く感じかねない刺激性のある成分との併用」を控えるよう呼び掛けているようです。

ただこのアゼライン酸の刺激は一過性であり、その安全性を揺らがすものではないともいわれています。

国内の「尋常性ざ瘡患者」に対してアゼライン酸クリームを用いて安全性と有効性をみるため盲検無作為化左右比較試験を実施しました。いずれの製剤も一過性の刺激感はあるものの容認できる程度の刺激感であり、安全性は高く、ざ瘡に対して有効であるという結果が得られました。

アゼライン酸 (my-hifuka.com)

アゼライン酸が酸であるという特性上、肌に塗った後に一時的にかゆみやピリピリ感を感じる場合があります。そのような場合には、肌を保湿して様子をみてみましょう。しばらくして症状がおさまる場合は心配ありません。また、多くはアゼライン酸を使い始めて1週間程度使っているうちに、このピリピリ感に慣れてくるようです。

でき始めのニキビからニキビ跡※のケアまで!今注目の「アゼライン酸」を徹底解剖! | ロート製薬オンライン【公式】 (rohto.co.jp)

酸だから沁みるけど、そのうち慣れてくるってこと?

「ピリピリとした刺激」自体は、アゼライン酸の特性であり警戒するようなものではないという考えですね。

ただ、使用中のピリピリ感に不安やツラさを感じないかと言われればそうではありません。

「併用を控えるように」という案内は、より刺激を強く感じそうな成分は併用しないようにしましょう。という気遣いなのではないでしょうか。

2. 肌トラブル原因特定のため

どの化粧品にもいえることですが、新しいアイテムで肌トラブルを感じた際に原因特定をしやすいようにするため。といった意味合いもあるようです。

アゼライン酸は刺激が少なく、他の治療法や成分との併用も基本的には問題ありません。ただし、慣れるまでは刺激性のある成分と一緒に使わないほうが安心です。何らかの症状が出てしまった場合に、どの成分による反応なのかがわかりにくくなってしまうからです。使い始めのうちは単独で使用し、慣れてから他の成分と一緒に使うようにしましょう。

アゼライン酸の効果とは?特徴や注意点を解説│医療コラム│一般皮膚科・美容皮膚科の日比谷ヒフ科クリニック│日比谷、八重洲、蒲田、品川の全4院 (hibiya-skin.com)

特に刺激性が懸念されている成分は、併用すると原因特定がより難しいのではないでしょうか。

どっちに刺激を感じてるのかわからないもんね

アレルギーの可能性もゼロではありません。肌トラブルを感じた際は、かかりつけの医師に相談を。

アゼライン酸アイテムで併用不可成分は?

「併用不可」の基準はアイテムによりますので、これは絶対ダメといった成分はないように思います。

ただ「アゼライン酸配合アイテムのなかで併用不可とされがちな成分」を絞るとすれば、下記の成分が多いように感じました。

・ビタミンC
・レチノール
・ピーリング成分
・ハイドロキノン

単体でも「刺激性」が懸念されている成分が多い印象ですね。

もし使用中アイテムにこういった注意書きがあったのであれば、あえて一緒に使う必要はないと思います。

というのも、この「併用不可」の要因がアゼライン酸以外の成分である可能性もあるからです。

逆に、アゼライン酸配合でも特に「併用不可」記載がないものは、あまり神経質になる必要はないかと思います。

ビタミンCでいえば「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」で、刺激の違いを感じたことはないでしょうか?

アゼライン酸も「アゼライン酸誘導体」が存在しますし、配合量もアイテムによってかなり差があります。

注意書きをよく読んだうえで、自分が刺激を強く感じないアイテムを選ぶのがいいのかもしれませんね。

アゼライン酸の併用おすすめ成分は?

こちらもアイテムによりますが、紫外線対策や保湿を推奨されていることが多い印象です。

・うるおい成分(セラミド・ヒアルロン酸など)
・日焼け止め(紫外線散乱剤・紫外線吸収剤など)

これもどの化粧品にもいえることですが、

バリア機能が弱まると刺激を感じやすくなる可能性があるため

という意味合いのようですね。

紫外線はシミやしわの原因となるだけでなく、ニキビも悪化させてしまいます。また、紫外線によって皮膚のバリア機能が低下すると、肌が乾燥し、アゼライン酸の刺激を感じやすくなる場合もあるため、日中は必ず日やけ止めを使用しましょう。

でき始めのニキビからニキビ跡※のケアまで!今注目の「アゼライン酸」を徹底解剖! | ロート製薬オンライン【公式】 (rohto.co.jp)

しかし保湿推奨といえど、毛穴詰まりが気になってアゼライン酸を使っているのに顔を油分でベタベタにしてしまうのも本末転倒な気がします。

人によってベストな保湿加減は異なりますから、クリームや乳液に限らず化粧水やジェルなどを選択肢に組み込んでみてもいいのではないでしょうか。

また、成分は人によって相性が異なります。あくまでこれらの成分も「おすすめ」という認識がいいかもしれませんね。

アゼライン酸はディフェリンと併用できる?

聴診器の写真

アゼライン酸がディフェリン(アダパレン)などの「ニキビ治療薬」と併用できるかの点について。

まず「ディフェリン(アダパレン)」を医者に処方してもらっているという前提でお話すれば、診察や薬局での処方の際「ディフェリン(アダパレン)」使用上の注意事項の説明があったのではないでしょうか。

その際、おそらく「アゼライン酸の併用」についての項目はなったかと思います。そもそも「併用不可」として扱われていないためですね。

また、美容皮膚科やクリニックなどでアゼライン酸の配合クリームが販売されていることがあります。

診察を受けてから購入するのが一般的ですが、このとき特に注意事項の説明がなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本でアゼライン酸は「医薬品」としては未承認(2024年現在)であり、あくまでスキンケアなためですね。保険も適用ではなかったかと思います。

アゼライン酸はニキビ治療薬として昔から使われています。日本では医薬品として認められていませんが、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界80カ国でニキビ用医薬品として承認され、約30年間使用されています。

スキンケア成分の知識:アゼライン酸 | Beauty Life Book|ロート製薬 (rohto-md.com)

海外ではニキビ治療薬の「第二選択肢」として「併用療法」に取り入られる場合もあるそうですが、併用できるか否かに関しては個人差があります。

アゼライン酸の有効性は、海外ではすでに15%濃度の薬剤では確立されており、国際的な「ざ瘡治療アルゴリズム」の中でも、面皰から炎症性皮疹、集ぞく性ざ瘡にいたるまでの単独あるいは併用療法の第二選択薬として位置づけられています。

アゼライン酸 (my-hifuka.com)

使っていい肌状態かどうかは、ニキビ治療薬を処方してもらっている医師に相談してみるのが一番です。

インターネットの情報はあくまで情報ですから、過信せずに医師の指導に従っていただければと思います。

アゼライン酸を使う上での注意点

1. いきなり高濃度を使わない

スポイトで美容液が垂らされている写真

医師に勧められたわけでなければ、「刺激を感じる可能性がある成分」は低濃度から試すのがおすすめです。

比較的穏やかな「アゼライン酸誘導体」で、併用不可成分が特に記載されていないものは試しやすいのではないでしょうか。

目的が「油分と水分のバランスを整える」ことであれば、手持ちのビタミンC誘導体やレチノール誘導体などと組み合わせたほうが多方向からアプローチできていいかもしれませんね。

2. 保湿や紫外線対策

麦わら帽子の女性の写真

「バリア機能が弱まれば刺激を強く感じる可能性がある」という意味合いもありますが、スキンケアをする上でそもそも大事な項目でもあります。

皮脂が抑えられたとしても水分がカラカラでは肌トラブルを招きかねませんし、紫外線はいわずもがな美容の大敵です。

とはいえ先ほども言ったように、毛穴詰まりが気になっているのに油分で顔をベタベタにしてしまうのは本末転倒になりかねません。

ジェルや化粧水なども上手に使って、油分水分のバランス維持と紫外線対策を目指しましょう。

3. 刺激が続く場合は中断する

化粧水をコットンに含ませている写真

アゼライン酸の「酸」という特性上「刺激」を感じる可能性はゼロにはなりません。

一過性のものでしたら問題ないとのことですが、続くようでしたら一度使用を中断して医師にご相談を。

化粧品は相性やアレルギーの可能性もありますので、一度専門医に診ていただくと安心かと思います。

4. 同時に新しいアイテムを試さない

化粧品が複数転がっている写真

肌トラブルが起こった際、原因の特定が困難になります。

アゼライン酸を使用する際は、普段使っていて問題ないものと合わせるか、もしくは単品で。

普段使っているとしても、刺激のある成分との併用は避けるのが無難です。

また、化粧品によっては「併用不可成分」が指定されているアイテムも存在します。

注意書きはしっかりと読んで、使用方法や併用アイテムは指示に従いましょう。

5. 即効性を期待しすぎない

頬の拡大写真

スキンケアによる変化は個人差がありますが、感じるまでおよそ2~3か月ほどかかるといわれています。

アゼライン酸は即効性のある成分ではありません。個人差はありますが、使い始めて2~3ヵ月ほどで肌実感を得られるといわれています。使い始めてすぐに効果がわからなくても、焦らずに使い続けてみましょう。

でき始めのニキビからニキビ跡※のケアまで!今注目の「アゼライン酸」を徹底解剖! | ロート製薬オンライン【公式】 (rohto.co.jp)

これはお肌のターンオーバーに時間がかかるためですね。

アゼライン酸は

「皮脂がかなり抑えられた!」「毛穴がキュッとなった」

という感想を目にする一方で、

「夜には元に戻った」「朝起きたら皮脂でてた」

などという意見も少なくありません。

あくまでスキンケアですので、「刺激が強すぎないものを無理せず長期的に試してみる」という心構えだといいかもしれませんね。

アゼライン酸と上手に付き合おう

【アゼライン酸に併用不可成分はあるのか否か】
・アゼライン酸に特定の併用不可成分はない
・一部のアゼライン酸コスメは併用不可推奨成分アリ
・全てのアゼライン酸コスメで併用不可なわけではない

まとめるとこんな感じでしょうか。

酸で刺激があるからといって、アゼライン酸自体は「混ぜるな危険」といった成分ではありません。

上手に付き合えば、海外では治療にも使われている成分。スキンケアでも、いい変化を多少期待してもいいのではないでしょうか。

目に見える変化がすぐ出ることはないかもしれませんが、鏡を見て「お、今日の自分きれいだな」と思える回数が増えれば上々。

スキンケアとしては、大成功といっていいかもしれませんね。

では、同志毛穴民の皆様。本日も健闘を祈ります。

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