朝ビタミンC夜レチノールとは?人気のワケと注意点

朝ビタミンC夜レチノールって何?

美容液が並んでいる写真

美容界隈で話題の「朝ビタミンC夜レチノール」。

名前からしてビタミンCとレチノールが関係してそうですが、

なぜ朝なのか。なぜ夜なのか。

そもそも、ビタミンCとレチノールを一緒に使ってはいけないのか。

なぜこんなにおすすめされているのか、いろいろ疑問が残ります。

調べているとやけに化粧品を推されるので、ちょっと調べてまとめてきました。

では、今回もいってみましょう。

朝ビタミンC夜レチノールとは

スキンケアをしている女性の写真

朝ビタミンC夜レチノールとは、朝のスキンケアに「ビタミンC」、夜のスキンケアに「レチノール」を分けて取り入れようという比較的新しい美容法です。

昨今のビタミンC、レチノール配合化粧品のブームに伴い、SNSを中心に広まったようですね。

ビタミンC、レチノールは共に選んで取り入れる人も多い成分ですが、夜用朝用と分類されていないアイテムも多く存在します。

なぜ、わざわざ朝と夜で使いわけるのでしょうか。

朝ビタミンCなのは何故?

ビタミンCクリームの周りにオレンジがちりばめられている写真

「朝ビタミンC」とおすすめされているのは、どうもビタミンCの働きが関係しているようです。

説明するうえで、まずは紫外線がシミになる仕組みから。

紫外線などがメラノサイトを刺激し、過剰につくられたメラニンがケラチノサイトにたまってしみになります。

しみに効くしくみ|トランシーノホワイトCシリーズ|第一三共ヘルスケア (daiichisankyo-hc.co.jp)

紫外線→過剰なメラニン→溜まってシミ!

ここまでは、メディア等でもよく見かける話。

実はこの「紫外線→メラニン」間には「チロシナーゼ」という酵素が関係しています。

シミに直結するイメージからつい悪者にされがちなメラニンですが、もともとは紫外線から肌を守る重要な存在。肌が紫外線などによる刺激を受けると、チロシナーゼという酵素がメラニン工場(メラノサイト)にメラニンの産生を指示。つくられたメラニンが肌表面で紫外線を吸収し、ダメージが肌内部に届かないようにブロックしています。

メラニンって何?シミとの関係や防ぐためのケア方法を知ろう | 「KOSE」輝き続けるあなたのために。コーセーの美容情報サイト

チロシナーゼがメラニンを作らせて肌を守ろうとしてる…?

メラニン発生自体が悪いのではなく、あくまでチロシナーゼを働かせすぎていることが問題ということですね。

ビタミンCには、メラノサイトの活性化やチロシナーゼ酵素の産生を抑える働きがあるので、メラニンの生成を抑制してくれるのです。

ビタミンCはシミ対策に有効?効果や働き、取り入れ方を解説【コスメコンシェルジュ監修】│無添加化粧品・健康食品・サプリメント通販のファンケルオンライン (fancl.co.jp)

ビタミンCには生成されたメラニンを無色化する還元作用もあり、今あるシミを薄くする効果が期待できます。ビタミンCがシミ対策に良いといわれる理由は、メラニンの生成を抑制すると同時にメラニンの色を薄くする働きもあるからです。

ビタミンCはシミ対策に有効?効果や働き、取り入れ方を解説【コスメコンシェルジュ監修】│無添加化粧品・健康食品・サプリメント通販のファンケルオンライン (fancl.co.jp)

ビタミンCはこのチロシナーゼが働きすぎるのを抑え、メラニンを還元することで日焼けによるシミ・ソバカスを予防する働きがあるといわれています。

紫外線対策の救世主!

まさに、そのとおりですね。

朝ビタミンC=紫外線の影響を和らげるため

麦わら帽子の女性の写真

これだけ紫外線対策向けの成分なら、紫外線が猛威を振るっている朝~昼にかけて使いたいというのは納得です。

つまり「朝ビタミンC」なわけですね。

また、ビタミンCは紫外線により失われるハリの維持ケアにもおすすめといわれています。

若々しさを保つ目的も

紫外線を浴びると、皮膚の細胞内に大量の活性酸素が発生し、肌の弾力やハリを保っているコラーゲンやエラスチンを破壊・変性してしまいます。これが肌のシワやたるみの原因となります。さらに活性酸素による皮膚細胞の損傷を防ごうとして、大量のメラニン色素がつくりだされ、その一部がしみとなって皮膚に残ります。

特集05-8月|特集|シオノギヘルスケア (shionogi-hc.co.jp)

ビタミン C は紫外線により産生される活性酸素を消去することにより、細胞障害を抑制することが初めて明らかになりました。皮膚への効果を期待して、ビタミン C は医薬品や化粧品に多く用いられています。この研究成果は、皮膚でのビタミン C の機能解明に大きく貢献するものと期待されます。

皮膚へのビタミンC塗布は紫外線を浴びる前が効果的 (tmghig.jp)

ビタミンCが身代わりに酸化されてるってこと?

りんごを切った後、茶色くならないようレモン汁をつけるのと同じ理由ですね。

ビタミンCはどれを選べばいいの?

化粧水をコットンに含ませている写真

ただ、ビタミンCといっても化粧品に配合されている種類は豊富。

いったいどれを使えばいいのでしょうか?

大きく分けると、化粧品に配合されているビタミンCは2つに分けられます。

【ビタミンC誘導体】
・ビタミンCの働きを高めるため変化させた化合物
・時間をかけて働きを発揮
・プロビタミンC

【ピュアビタミンC】
・純ビタミンC(アスコルビン酸)
・すぐに働きを発揮
・即効型(活性型)ビタミンC

化合物というと効果が弱いのではないかとイメージされがちですが、ビタミンC誘導体は浸透した皮膚内の酵素で「ビタミンC」に変化→本領を発揮するタイプの成分です。

変化するので時間はかかりますが、配合するうえで「ビタミンC」の弱点であった「浸透性の低さ」「熱・光・水などの影響による不安定さ」が克服された形ですね。

ほとんどの化粧品では、より安定性や浸透性の高い「ビタミンC誘導体」配合が多いのではないでしょうか?

一方で、ピュアビタミンCは「壊れやすく効果がイマイチ」なのかというと、最近はそうとも言い切れなくなってきました。

というのも、新技術の発達で安定して配合できるようになってきたからです。

ロート製薬では、約20年間ビタミンCの研究を続けており、ピュアビタミンCを安定して製剤の中に配合し、効果そのままに皮膚に浸透させることに成功しました。これはロート製薬ならではの技術で、ビタミンCに関する特許も数多く出願しています。

ビタミンC美容のトリセツ | ロート製薬: 商品情報サイト | ロート製薬: 商品情報サイト (rohto.com)

とはいえ、ピュアビタミンCは配合が難しくまだまだ「ビタミンC誘導体」のアイテムが多いのが現状。

肌悩みにピンポイントでアプローチしたい美容液などに「ピュアビタミンC」のアイテムが多い印象です。

できたら併用がおすすめ

シートパックを顔に付けてこちらを向いた女性の口元の写真

どちらか、といわれれば塗ってすぐに働いてくれる「ピュアビタミンC」のほうが紫外線対策には向いていると考えます。

しかし長時間の安定性にはまだ懸念が残りますので、可能であれば「ピュアビタミンC」「ビタミンC誘導体」のどちらもが配合されたアイテムが望ましいのではないでしょうか。

ただビタミンCという成分は「自らが代わりに酸化する」という特性上、その変化が肌の刺激となる可能性のある成分です。

両方配合されているアイテムは濃度が高く刺激になりがち。「ピリピリとした刺激を感じない程度」の濃度を選ぶよう気を付けてみてくださいね。

夜レチノールなのは何故?

複数の人参が板の上に置いてある写真

次にレチノールについてですね。

こちらはレチノールの働きではなく、その安定性が関係すると考えられます。

純粋レチノールは、熱や光、酸素に弱く、非常にデリケートな成分のため、化粧品への配合は困難でした。しかし、資生堂の長年の研究で培った製剤化技術により、純粋レチノールの分解を防ぎながら、安定的に純粋レチノールを配合することに成功しました

光や酸素に弱い「純粋レチノール」の効果を守る技術力|スキンエイジングラボ|資生堂 (shiseido.co.jp)

レチノールはもともと不安定な成分で、化粧品への配合は難しいと考えられていました。

製剤化技術の発展により安定的に配合できるようになりましたが、紫外線に影響されやすくまだ懸念は残るところ。

レチノールは紫外線の影響を受けやすく、また酸化しやすいため、日中は必ず日やけ止めを使用しましょう。

若々しい肌を保つケア方法、アンチエイジングのためのレチノールとは? – ラ ロッシュ ポゼ【公式】 (laroche-posay.jp)

影響を緩和するための「日焼け止めの使用」や「夜だけの使用」を推奨するアイテムも少なくありません。

そのため「夜レチノール」という美容法は生まれたのではないかと思われます。

レチノールの効果は?

老人の口元の写真

安定性にはまだ不安の残るレチノールですが、若々しさの維持にその働きは欠かせません。

レチノールは、ビタミンAの一種です。ビタミンAは肌に強く作用するビタミンとして以前から知られており、その仲間のレチノイン酸はにきびの外用薬などにも配合されてきました。近年の研究により、レチノールは肌の細胞体に働きかけ、シワやシミへ改善効果があることが明らかになってきました。加齢による自然老化だけでなく紫外線によるシワ・たるみなどの光老化、どちらにも有用な成分です。

若々しい肌を保つケア方法、アンチエイジングのためのレチノールとは? – ラ ロッシュ ポゼ【公式】 (laroche-posay.jp)

レチノールの働きを身をもって体験して、「もはや手放せない」なんて方も多いのではないでしょうか。

「夜レチノール」は確かにいいアイディアかもしれません。影響を受けやすい朝~昼よりは、夜の方がより安心してスキンケアに取り入れられそうですものね。

レチノールはどれを使えばいいの?

蓋を開けた化粧クリームの写真

一口にレチノールといえど、その種類はビタミンCと同じく様々。

とはいえ、その本質は同じです。

レチノールは体内で変換され、主に「レチノイン酸(トレチノイン)」となって働くといわれています。

化粧品に配合される場合は、その過程で分類されていることが多いようです。

【レチノール誘導体】
・パルミチン酸レチノールなど
・ビタミンAを安定化させた誘導体
・安定性があり働きは比較的穏やか
・レチノール誘導体→レチノールに変換される

【レチノール】
・純粋レチノール(ピュアレチノール)
・誘導体より早く働きを発揮
・レチノール→レチナールに変換される

【レチナール】
・レチノールより早く働きを発揮
・レチノール→レチノイン酸に変換される

化粧品ですとこの3種でしょうか。「レチノイン酸(トレチノイン)」は今のところ医薬品以外では許可されていません。

下にいくにつれて力が発揮されるまでのスピードが速くなりますが、同時に刺激を感じる可能性も高まるといわれています。いわゆる「レチノイド反応(A反応)」ですね。

A反応を強く感じない程度のものを

A反応自体は、調査の結果悪いものではないのだそう。

A反応は、「レチノイド反応」や「ビタミンA反応」とも呼ばれていて、レチノールやレチノイン酸を肌に塗布した後に急激に新陳代謝が促されることで起こります。多く見られるのは、赤みや皮むけ、乾燥感などの症状です。

実は肌に良い状態!レチノイン酸やレチノールによるA反応について解説。│医療コラム│一般皮膚科・美容皮膚科の日比谷ヒフ科クリニック│日比谷、八重洲、蒲田、品川の全4院 (hibiya-skin.com)

症状だけを見ると肌にとって悪い反応のように思えるかもしれません。でも、実はこの反応は決して悪いものではありません。お伝えしたように、A反応はビタミンAの成分によって急激に新陳代謝が促されることで起こるもので、肌が慣れていくと症状も落ち着いていきます。

実は肌に良い状態!レチノイン酸やレチノールによるA反応について解説。│医療コラム│一般皮膚科・美容皮膚科の日比谷ヒフ科クリニック│日比谷、八重洲、蒲田、品川の全4院 (hibiya-skin.com)

ですが、場合によってヒリヒリ感や痒みなどの刺激も感じることがあるようです。

「朝ビタミンC」を実践するのであれば沁みる可能性もありますから、わざわざA反応を強く感じながらスキンケアをする必要もないかと思います。

夜に使う分には即効性はあまり関係ありませんから、まずはレチノール誘導体から。順番に試していくのがおすすめです。

ビタミンCとレチノール併用は?

化粧品が複数転がっている写真

ビタミンCもレチノールも美肌を目指すなら取り入れたい成分ですが、同時に使ってはいけないのでしょうか?

ビタミンCやレチノールの併用自体は問題ないそうですが、安定する環境(PH)が異なることから「一緒には使わない」という考えが広まっているように思います。

レチノールと一般的なビタミンC(アスコルビン酸)は、それぞれの安定するpH値が異なることから、1つの製剤に配合することが難しい、という特徴があります。相性が悪い、一緒に使うと肌に悪い、ということではありません。

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技術の進化でビタミンCとレチノールが同時配合されたアイテムも存在しますが、一方で「併用不可」のアイテムもいくつか存在します。

ビタミンC、レチノールともに刺激を感じる可能性のある成分ですから、「朝ビタミンC」「夜レチノール」であえて分ける美容法は理にかなっている気もしますね。

朝ビタミンC夜レチノールの注意点

【朝ビタミンC夜レチノールの注意点】
・アイテムは刺激を感じすぎないものを選ぶ
・肌が揺らいでいるときは無理に取り入れない
・紫外線対策を同時に行う

ここで一度、「朝ビタミンC」「夜レチノール」をスキンケアに取り入れる前の注意点をまとめてみましょう。

ピュアビタミンCやピュアレチノールは、その刺激性から時に「攻めのスキンケア」と評されることがあります。

ニキビやヒリつきなど、お肌が揺らいでいる最中の「攻めのケア」はおすすめしません。新しいアイテムは肌に合わない場合もありますので、一度使用を中止して様子を見た方がいいでしょう。

また、ビタミンCのみで紫外線対策を終えてしまうのもおすすめしません。

というのも、ビタミンC自体は紫外線防御成分として配合されていない場合がほとんど。

日焼け止め、または物理遮断でのUVケアはお肌のコンディションを崩さないためにも大切です。

美肌を目指していたはずなのに、新しい美容法で逆に汚肌になってしまったら元も子もありません。ご注意ください。

朝ビタミンC夜レチノールのメリット

【朝ビタミンC夜レチノールのメリット】
・ビタミンCを活躍しやすいタイミングで使える
・レチノールの安定性を気にしすぎず使える
・一度に使うアイテムが減らせる(併用していた場合)

逆に取り入れるメリットはどんなものがあるでしょうか。

やはり成分の特性を考慮しているぶん、より活躍の場が広がるのではないかと思います。

また併用していたものを別々に使うことで一度に使うアイテム数が減りますから、刺激的にもお財布的にもやさしいといえるのではないでしょうか。

注意点はありますが、使うタイミングを分けるだけならば手間はあまりありません。そう考えると、メリットは少なくないと思います。

朝ビタミンC夜レチノールの新習慣

【朝ビタミンC夜レチノールとは】
・朝と夜でスキンケアを分ける新美容法
・朝は紫外線対策にビタミンC
・夜は紫外線の影響を受けやすいレチノール
・併用可能だが安定環境(PH)が異なる成分

まとめるとこんな感じでしょうか。

「朝も夜も同じスキンケア」が当たり前でしたが、これからは「成分で朝と夜のスキンケアを分ける」という考えが当たり前になるかもしれませんね。

これからさらに技術が進歩すれば、新しい成分が「朝」や「夜」に追加されるかもしれません。

まずは「朝ビタミンC」「夜レチノール」から。新習慣に挑戦してみるのは悪くないかと思います。

では、毛穴に悩む同志の皆様。本日も健闘を祈ります。

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